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とある軍隊の飛翔弾丸

assassin44.exblog.jp

ここは廃人のブログです(笑)

Assassin 第1章 7話 「待ち伏せ」

・・・ふと目が覚めた
腕時計を見ると、午前3時を過ぎたとこだった
昨日は激しい戦闘の末、敵を全滅させ、山頂から脱出した
しかし、自分たちが引き連れた護衛15人は全員死亡した
「痛っ!!」
よく見ると、腹部には包帯が巻いてある
浩二は、昨日突如出現したブラッドポイズンの「幼竜」と無謀にも戦い、腹部に強烈な尻尾攻撃を喰らったことを思い出した
周りには、フライを始めアマテリウス、ラムサレアス、フォモレスが寝ている
それを起こさないように歩き、自分のバッグと紅剣をとると、他の兵士のバッグからアップルを5つとレーション2つを取り、トンネルを抜けて内陸部の方に向かって歩きだした
しばらく道なりに歩いて山を下りていくと、トラックが止まっていた
(これはいい)
そう思った浩二は、おもむろにバッグからMP7A1を取り出して構え、トラックの荷台に入った
「動くな!」
中には、ミラ軍らしき人が3人寝ていた
「わ、分かったから、撃たないでくれ!!」
一人の兵士が手を挙げて懇願した
他の兵士は疲れているのか、大声を上げてもいびきをかいて寝ている
「俺の指示に従えば殺しはしない」
浩二は銃口をその敵兵に向けながら笑みを浮かべた
「分かった!分かった・・・何をすればいいんだ?」
敵兵は、浩二の顔色を窺いながら答えた
「仲間になれ」
「それだけか?」
「そうだ。だが、裏切ればなぶり殺しにするから覚悟しろ」
「分かった。私はソルだ。あんたは、ここいらで噂の吉樹浩二か?」
「何故知っている」
浩二はにらみつけるようにソルを見た
「な・・・何故って、それは、あんたを討つように命令されたからさ」
ソルは、浩二の睨むような目に恐れながら答えた
「ということは、上にいたミラ軍の残党っていうわけか」
「その通り、包囲されそうだったから俺たち3人は必死に逃げたんだ。で、疲れたのもあってここで寝てたって訳だ」
「で・・・そこを俺が襲ったというわけだ」
「その通りだ」
浩二とソルは腹を抱えて笑った
ふと視線をやった先には、明かりが高速で下っていくのが見えた
おそらくフライたちだろう
浩二は、近くにおいてあった双眼鏡を覗いてみた
案の定、M4A1を装備した反対派軍がライトを照らしながら追ってくるのが見えた。
「あいつらか。カルマまで移動できるか?」
浩二がそういうと、ソルが笑顔で頷いた
「いけるさ。着いたらこいつらにも自己紹介をさせよう」
そういうとソルは、運転席に行った
「そうそう、もし攻撃されたらそこにあるRPGー7とAK47を使ってくれ。弾薬はそこの箱の中に入ってる」
「分かった」
その会話が終わったとたんに、トラックは急発進した

しばらく後ろを見ていると、山の向こうから光が漏れてくのを見た
時計を見ると、4時を過ぎていた
浩二はため息をつくと、双眼鏡を取ろうと手を伸ばしそうとしたそのとき、腹部に激痛が走った
「くっ!」
なんとか双眼鏡を取り、覗いてみた
追ってきてはいるが距離がかなり開いている
双眼鏡を置いて、服を脱いだ
包帯に血がにじんでいた
どうやら傷が開いたようだ
試しに包帯を取って傷口の状態を調べた
(化膿はしてない・・・か。それにしても、けっこう裂けてるな)
浩二は包帯を巻き直そうとすると、目の前で寝ていた髭を生やした男が目を覚ました
「あんた・・・ずいぶんひどい傷だな。大丈夫か?」
「いや、出来れば消毒薬とガーゼと包帯が欲しい」
浩二がそう言うと、男が薬箱を持ってきて開けた
「私はベス、軍医だ。あんたは・・・吉樹浩二か」
「全員知ってるのか」
「そりゃ、さっきのソルの話を聞いてたからな」
ベスは、笑いながら消毒薬とタオルをもって消毒を始めた
「ぐっ・・・!!」
浩二は痛みに耐えながら何とか消毒を終わらせた
「包帯は自分で巻けるな?」
「あぁ・・・」
浩二は包帯を受け取ると、巻き始めた
「それにしても・・・いい紅剣だ。ここまで出来のいい紅剣は久しぶりに見たよ」
ベスは頷いて見せた
「そう言えば、こいつは誰なんだ?」
浩二は寝ているもう一人の男を指さした
「あぁ、こいつか。おい、起きろ」
笑いながらそるはその男を起こした
「やれやれ・・・話は聞かせてもらった。俺はバイだ。よろしく」
そういうとバイは握手を求めてきた
浩二が握手を終えようとしたそのとき、銃撃音とともに壁に穴が開いた
「バカが来たぜ・・・自己紹介もろくにやらせてくれないのか。これは傑作だな」
バイはRPGー7を取ると、トラックから身を乗り出して引き金を引いた
すさまじいバックブラストとともにロケット弾が吐き出され、待ち伏せしていたトラックに当たった
「バカが!!」
そういうと、バイはRPGー7を置き、AKを取り出して、乱射した
浩二も近くに置いてあったAKを借りて応戦した
とたんに相手からの銃撃が止んだ
どうやら待ち伏せしていた相手は戦闘不能になったようだ
「あいつらはどこの軍なんだ?」
「おそらくミラ軍の残党だろう・・・全く、反吐がでる」
バイはそういうと、AKを置いてため息をついた
「裏切ったのか」
浩二がそういうと、バイは小さく頷いた
それからしばらく、会話が全くなかった
ふと前を見てみると、大きな街が見えた
その動作を見ていたバイが口を開いた
「あれが、第二都市のカルマだ。門をくぐるぞ」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫だ。あそこには俺たちの知り合いもいる。それに、あんたの仲間が待機してるんじゃないのか?」
「そうだったな・・・」
浩二はベスとの会話で、仲間の大佐たちのことを思い出していた
急に車が止まった
10秒ほどすると、トラックはまた走り出した
3分ほど走ると、またトラックは止まった
どうやら目的地に着いたようだ
「着いたぞ」
ソルがそういうと、トラックから降りるように指示された
浩二はバッグと紅剣を持つと、トラックからおりた
しかし、そこはまるで紛争地帯のような有り様だった
by dokkanogunmania | 2012-04-11 19:44 | 小説「Assassin」

by 迷彩林檎