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とある軍隊の飛翔弾丸

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Assassin 第2章 17話 「地上制圧(爆弾狼の暴走)」

大爆発とともに「最強」の兵器は粉々になった
周囲の兵士はその爆風に巻き込まれ吹き飛んだ
「・・・こちら暗殺者。大佐、あの兵器は破壊した。だけど・・・」
「あぁ分かってるさ。桜木は肩と脇腹を5か所も撃たれてる。だが、致命傷には至ってない。大丈夫」
「お前なめてんのかコラァ!!!」
佐藤の話を断ち切って薙咲が吠えた
驚くことに次の瞬間、浩二の前からは薙咲が消えていた
「何があった?」
佐藤があわてている。それもそのはずだ
普段は温厚な性格で、人見知りをしない。どんな時でも積極的に考える
そういう、いわば「表」の薙咲しか見たことのない佐藤たちは、もちろん薙咲が声を荒げて暴走することは計算外だった
どうやら天才策士の大佐こと佐藤は作戦を伝えようと思ったのだが今ので伝えられなくなったような感じがした
「とにかく、今から雷希を止める。その間に他の場所の敵の殲滅を頼む!」
「・・・了解」
浩二は痛みも忘れて屋上から下を覗いた
薙咲は銃を持っている。AK47・・・敵を倒して奪ったのだろう
浩二はとりあえず階段を飛ぶようにして降りた
サイレンサーの付いたガバメントを構えて、飛び出そうとしたが
(雷希・・・)
殺気がした。しかも、常人とは比べ物にならないほどの
次の瞬間、その木製のドアに無数の7,62mm×39弾が撃ち込まれた
25発。浩二は銃弾を数えた。銃声が途絶え、彼女が近づいてくる足音を確認すると
ダッ!!
ドアを体当たりで開け、銃を構え・・・撃つ
「動くな雷希。もう十分だ!」
パスッ!という缶を潰したような音を立てて薙咲の足もとに銃弾が撃ちこまれた
「・・・クソみてぇな射撃能力だな。そんなもん見せてんじゃねぇぞ」
撃ちこまれても怯むことはなく、悠然と弾倉交換を始める
声は低く、殺気が津波のように押し寄せてくる
威嚇射撃が通用しない
おまけに、名前を呼んでも通じない
どうやら記憶が一時的に飛ぶらしい
「お前は、俺と殺し合いをするんだな?」
薙咲がそういうと、AK47の銃口を浩二に向け
一言。囁くように
「死ね」
その瞬間、銃声とともにライフル弾が雨のように飛んでくる
浩二は、咄嗟にさっきいたビルに戻った
幸い怪我は無かったが、右肩に激痛が走った
見ると、血が滲み出てきている
(くそ・・・傷口が開いたか)
浩二は匍匐前進をしながらとりあえず階段まで行くと、急いで上った
銃弾の雨が追いかけてくる
階段を上り切ると、バンッ!というドアが蹴破られる音と同時に、カチッというマガジンチェンジの音が聞こえた
「あは!あははははは!!死ねぇ!!!」
もはや人じゃない
敵と味方の区別もつかない状態になっている
その時
「こちら大佐!やばい。敵の増援だ!!薙咲はどうなった!」
・・・事態は既に最悪の状況だった
「こちら・・・暗殺者。薙咲は俺を敵だと思っている。今も・・・くっ!」
ズガガガガガガガガッ!!
AK47が火を噴いた
「暗殺者!やばい!そっちに敵が行ったぞ!!」
浩二は・・・屋上に出た
下を見ると・・・おそらく銃撃の音で出てきたのだろう。ざっと見ただけでも100人近くはいるようだ
「詰んだ・・・か」
浩二はドサッっと倒れると、既に感覚が殆どない右肩を見た
血がかなり出たことによる貧血のようだ
とても眠くなってきた
それから何秒。いや何分経ったのだろう
ふと目が覚めた
気付くと前に女が立っていた
そいつは、AK47を構えてひたすら連射している
真横には焼き付いて使い物にならなくなったAKが煙を上げて積み重なってる
その姿は、まるで
夢を見ているようだった
「雷希っ!!」
やっと声が出た
浩二は最後の力を振り絞り立ち上がる
そして、薙咲は・・・
(夢であってほしかった)
全身に無数の弾丸が掠った跡がある。そこからはあらんばかりの血を流している
気力だけで立って、撃っている
浩二はもう見ていられなかった
銃を持ち、ドアのほうに見える敵を撃った
そして、薙咲を押し倒しAKを奪うと、階段のほうに向かった
しかし、そこで待っていたのは
この建物を紅い世界に変えるのではないかと言うほどの血
人肉のミンチによって作られた絨毯
そして、無数の銃弾の跡
敵は全滅した
浩二は振り返り、薙咲を見た
血だまりを作りながらピクリとも動かない
「雷希・・・おい!大丈夫か!!」
積み上げたAKの横に、ボロボロになった薙咲
おそらく俺を殺そうとした瞬間に敵が乱入してきて、急遽敵を変更した
でも、それだったら途中殺せたはずだ
「浩二・・・ごめん。私・・・自分を見失ってた」
薙咲がいつの間にか意識を取り戻してた
血に染まった小さな手が、震えている
浩二はその手を握り、耳元で囁いた
「お前は悪くない。でも、これからはこんなになるまで無茶するな」
「だけど・・・浩二は私の事嫌いでしょ?さっきの裏のほうの私を見て。嫌いになっちゃったでしょ?だから、私もう」
「ふざけるなっ!!」
浩二は、薙咲の言葉を遮った
「俺は・・・俺はっ!!お前の事が好きだ!その思いは!たとえお前が俺を殺そうとしたところで、変わるもんじゃねぇ!」
浩二は、そのとき
やっとの思いで上半身を起こした薙咲に抱きつき、そして
キスをしてしまった
唇と唇同士が合わさって
およそ2秒間は、硬直していた
口を離すと、薙咲はまた気を失ってしまった
「こちら・・・暗殺者。ビルの敵は全滅。薙咲が重傷だから・・・」
そこで会話が途切れた
おい!!しっかりしろ!
そんな声が聞こえた気がした・・・
意識が次第に薄まっていき、そして
遂に意識を失ってしまった
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by dokkanogunmania | 2012-04-20 23:55 | 小説「Assassin」