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とある軍隊の飛翔弾丸

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ここは廃人のブログです(笑)

カテゴリ:小説「Assassin」( 34 )

山頂から火柱が上がり、そこから溶岩が流れ出た
おそらくここにいれば火砕流に飲み込まれるだろう
浩二は急いで周りの安全を確認してトラックに乗り込む
「ギリーレイだ。暗殺者、車を出すぞ!!」
無線が切れた直後に急発進したトラックは丘を駆け、草原に出た
夕日に照らされる噴煙は、嘲笑うかのように南下してきた
目的地は浩二が最初にたどり着いた『名も無き村』にある紅剣の製作所だ
レイン・フィアーとの戦闘によって2本とも折れ、新しく作ってもらうためにとりあえず向かっている
そこから移動するのには反対派などの裏切りなどがあってかなり遅かった
だが、今は敵もいなければもはや邪魔をする者もいない
強いて言えばさっきの大噴火
だがむしろ急がされている感じがする
そんなことを思いながら数時間
ミル山の入口に差し掛かった
辺りは闇に包まれ、明りをつけなければたちまち迷子になってしまう
暗闇の中を進んでいくトラックの中で、浩二は持ちだしたハンドガンの一つ「Five-seveN」の改造をしていた
部品が充実していたので、暇つぶしにやっているに過ぎないが・・・
「浩二。その銃を3点バースト仕様になんか出来るわけないよ」
と、薙咲が笑いながら言うと、他の奴も笑いだした
「残念だったな。フルバースト付きだ」
浩二はそう言い返して作業を続けた
だが、浩二はとんでもないものを作り出そうとしていた
それだけで主力の銃になりかねないほどのものである
その名も【Five-seveN サイレンサー仕様(フル・3点バースト)】
IH製の部品をこっそり揃えていた浩二は早速組み立てに入った
少なくとも着くころには完成するだろう
IHとは、何でも吸収する力がある
それは衝撃のみならず。音や光、挙句の果てには熱や重力までをも吸収あるいは放出可能というものだったことが判明した
サイレンサーに使えば音を出すことなく撃つことが可能になり、インナーバレルも熱に耐えるようになり、連射しまくっても問題なくなる
浩二は部品を一つ一つ組み立て、ネジを留めて完成させた
試しに空砲を使って撃つことにした
「暗殺者だ。ギリーレイ、今どの辺だ?」
一応トラックの中ではヤバいので外でやれる場所まで行ったら撃とうと思っていた
「今ちょうど山頂だ」
浩二はそれを聞き、笑みを浮かべた
念には念を
浩二は一応実弾が入ったマガジンと、ブラッドポイズン用の弾が入ったマガジンを持って降りた
辺りには何もない
強いて言えば、最初の時に戦った時の死体は・・・なかったが、敵の武器などがそのまま放置されていた
浩二はとりあえず空砲を撃った
反動が少し起っただけで、あとは何の変化もなかった
実弾が入ったマガジンと入れ替え、今度は岩に向かって撃った
岩が砕ける音がした
だがやはり、それ以外の音は一切ない
そして、フルオートに切り替え
引き金を引いた
バババババババババババ!!!!!
暗闇だからか、ほんの少しのマズルフラッシュ。その後に響き渡る、岩が粉砕されて散る音
「・・・浩二の改造もすでに人の域を超えてるわね」
薙咲が少し笑いながら声をかける
浩二はそのままトラックに戻ると、無線で工藤に連絡を取った
その直後にはトラックが発進し、真夜中の闇を突き進んだ

夜中の1時を回った頃、トラックは山を下りて平原に入った
ここからは1時間もしないうちに着くはずだ
橘と薙咲はベッドで寝ている
浩二と桜木は起きてはいるが、ただ外を眺めているだけだ
そんな無音の時間は、平原に入ってから数分後に起きた
「あれは・・・」
桜木がそうつぶやいた時には、浩二の耳にもその音が聞こえた
「こちらギリーレイ。そっちも知ってるとは思うが・・・アパッチがこっちに向かってきてる。とりあえずこの辺りで身を隠そうと思うんだが。暗殺者」
「それがいいだろう。ちょうどそこに木がたくさんあるしな」
トラックはその林のような場所の真ん中に停められ、何故か工藤が隠し持っていた迷彩柄の巨大シートをかぶせた
このシートは驚くこと赤外線などの探知を無効にするらしい
試しに暗視ゴーグルで覗いてみたが何も映らなかった
浩二はそれに驚きつつも、腰のホルダーに改造したFive-seveNを仕舞う
次第に近づくアパッチをやり過ごした浩二たちは安堵の溜息
「偵察機か?」
浩二は笑いながら聞き、工藤がそうだ!と返しながら車に乗り込んだ
その何とも言えない油断
またもやその『油断』が
事を起こしてしまった・・・のかどうかは定かではない
ガガガガガガガガ!!!!!
という重機関銃が火を噴く音が辺りに響き渡る
その直後に、ここまで届く悲鳴
「村が・・・襲われてる!!」
工藤がアクセルを全開にして叫んだ言葉だ
だがその言葉に何の効果はなく、攻撃ヘリによる殺戮劇は続いた
そこから降りる、何本かのワイヤーが月の光を反射して煌めく
それにいち早く反応した桜木は即座にMP5を連射する
400mは離れているが、桜木は放った10発の弾丸を5人の兵士の急所に当てて落とした
ヘリは方向転換してこちらを向いた
「ヘリの攻撃対象がこちらに移った。これより急遽作戦を展開する」
浩二はさっき改造したFive-seveNを装備して車から飛び降りる
全員が驚きの声を上げたが、浩二はそれに反応することなくこう告げた
「今から村に潜入して敵を片づける。ヘリのほうを頼んだぞ!!」
その合図とばかりに、ヘリが爆撃を始めた・・・
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by dokkanogunmania | 2012-06-01 22:46 | 小説「Assassin」
薙咲雷希・・・通称『爆弾狼』は、入院していた
浩二が朝方ふと思い出し、急いで城の門番に聞いたところ、すぐに教えてくれた
意識は回復しておらず、依然として予断は許されないそうだ
13の銃創に加え、背中に大きな裂傷
傷口は全て開き、運ばれた時には死ぬ寸前だったらしい
そこをなんとかここの医者たちが治し、持ちこたえたというわけだが
「・・・広すぎる」
そう。薙咲が入院してる病院自体かなりの高さのビルで
さらにここは最上階の・・・VIPルームと言える場所だった
名前は知らないが・・・王のせめてもの配慮なのだろう
そんなことを考えていると、看護婦さんが来た
「あの・・・浩二さんですよね」
「はい。そうですが?」
あまりにも唐突だったために、浩二はあわてた
その反応を見て微笑んだ看護婦さんは
サッ!!
突如気が狂ったかのような早業で、腰に隠し持っていた9mm拳銃を抜いた
それを察知した浩二も、ガバメントを抜く
ほぼ同時に銃を突きつけた浩二を見て、一瞬目を見開いた看護婦さんは
銃を下して、上着をを脱ぎ捨てた
!!!
衝撃が走った
浩二は思わず目を守った
それは、心理攻撃
だが、それは一瞬で解除された
下には潜入用のスーツを着ていたからだ
胸にはナイフがしまってあり、腰にはマカロフが収まってた
「自己紹介はこれくらいにして、浩二さん。すぐに戦闘服に着替えてこの街から離脱してください」
そう言った看護婦さんの後ろには、いつの間にか仲間が全員揃っていた
「そういうことだ・・・詳しい事情は後で話すが、一旦引き返す」
工藤がそういい、スーツケースを渡してきた
その中には、黒い戦闘服と、IHの繊維で出来ていた防弾性のマントが収められていた
「私が雷希を回復させる」
そう言って手をかざした橘
「死神殺し」
一度浩二も喰らった回復能力
浩二はそのまま戦闘服に着替えた
回復を終えたと同時に、桜木から
「・・・これを使え」
そう言って渡されたのは、信頼のサブマシンガン
その射撃性能はほかのサブマシンガンとは比べ物にならない
「MP5SD6・・・か。隠密行動には適してる」
浩二はスリングを取り出し、MP5を肩にかけると、薙咲の様子を窺った
「・・・ここはどこなの?」
どうやら死地から脱したようだ
浩二は今までの説明をして、薙咲を病院から運び出すと、拠点に向かった
拠点の前には、武装した男
「デジャヴ・・・ねぇ」
浩二はその男をガバメントで撃ち抜き瞬殺すると、拠点の中に入った
突入したが、もちろん中には誰もいない
浩二は全員に指示を出し、脱出の準備を始めた
さっきの看護婦みたいな人は、自分の名前を『スパーク』と名乗って去って行った
工藤曰く、そいつは『雷鳴の暗殺者』らしい
つまり、世界に15人しかいない暗殺者のスキル保持者でもある
浩二は荷物を運ぶのを手伝い、わずか1時間足らずでトラックに荷物を積み終わった
この用意されたトラックもまた凄まじい改造を施されていた
内部には丁寧に固定された2段ベッドが2つと、銃の整備用の部品とテーブルが用意されていた
その中に、MP5を10丁と、P90が5丁。さらにはハンドガンが合計で10丁収められたケースと、ありったけの弾薬。さらには手榴弾とRPG-7なども詰めたが、そんなに狭くはならなかった
個人の紅剣や紅刀、紅矛。IH製の防弾盾なども収納でき、内装は完璧だった
だが、それを上回るのが
外装だった
ほぼ全ての部品が『IH製の防弾繊維』を使用して作られている
フロントガラス。ミラー。タイヤなどはもちろんのこと
ハンドルなどもその素材で作られてるというから驚きだ
ちなみに運転は工藤がやるという
さっき運転は大丈夫なのか?と浩二が聞いたが
「俺は元レーサーだ。問題ない」
などと言っていた
そんな次元の話ではない。と、心の中で突っ込んだ浩二だった
しかし、発進した時。さらに進んでる途中も、驚きの安定感
まるで静止してるようなそのドライビングテクニックに浩二たちは驚かされている
「こちら・・・ギリーレイ。暗殺者、応答せよ」
ギリーレイ。これが工藤のコードネームらしい
「こちら暗殺者だ。どうした」
「間もなくこの街から脱出する。念のため敵兵に注意してくれ」
「了解」
浩二はMP5のマガジンを装着した
それを見ていた薙咲や桜木は、MP5を構える
「3・・・2・・・1・・・」
工藤がカウントダウンをしてくれた
「GO!!!!」
バン!!という音を立てて、後ろの扉が開いたが
誰もいなかった
「何もなかったな。これで一件落着か」
浩二は笑いながら武器を置いた
「まぁそういうことね・・・」
薙咲も少し微笑みながらそう言った
その場の空気を和やかにする能力を持つ薙咲がいれば、たとえ戦場だろうと生きて帰れる
トラックの中は笑いと喜びで満ち溢れていた

それから数時間後。橘たちと街に潜入しようと試みたあの丘に到着した
ここは敵が攻めにくい地形だ。狙撃も不規則に岩が並んでいるので実質的に不可能
浩二たちは今日はここで野宿をすると決め、早速食料がそんなに積んでない事に気付いた
どうするか・・・それを決めていたときに
・・・・ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
地面が揺れ始めた
さらに
サァァァァァァ・・・
風も強くなってきた

――――――嫌な胸騒ぎと同時に、地の怒りを感じた―――――

その瞬間だった
後方約6kmの山頂が爆発した
空気が揺れるのを肌で感じ取れるほどの大噴火だった
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by dokkanogunmania | 2012-05-26 14:57 | 小説「Assassin」
ダァン!!!!!
凄まじい銃声とマズルフラッシュ
それとともに吐き出される弾丸は当然のごとくデカい
浩二はそれを容易くナイフで切って行く
「・・・銃弾切断、か。そんなんでしか銃弾が防げないならお前は未熟すぎる」
桜木は上から目線
いつものことだが・・・今日は殺気が含まれているため、尋常ではないほどの緊張感
そして、何とも言えない怒りが込み上げる
これが果たしてただの暴走なのか
多分そうであろう
だが、その中に
万が一この学校内に、ミラがいたら?
今はブラッドポイズンが全部逃げて行ったため、襲われる心配がない
体育館は制圧可能だろう
そうすると?
マインドコントロール
出来るわけ・・・
いや、出来る
橘ならやりかねない
生き返らせた時には、浩二は体育館から出ていた
その直後に敵が殲滅され、制圧
橘は反射でなんとか敵を殲滅可能だが
それを封じる
威圧のみでなら、ミラが・・・いや、その上にいる
・・・たしか『ローリング』だったか
そいつがいるのか?
浩二はそんなことを考えながら
無心でナイフを振るう
その度に火花が散る
弾が切れた・・・5発目
浩二はそのまま飛びかかり、止めを刺そうとしたが
迂闊すぎた
やっぱり・・・いた
その後ろに
あの『ミラ』が
その手に見えた、銃口から
一瞬だけ、火が噴く
そこから飛ぶ、数gの金属は
浩二の胸を
バシュッ!
貫通した
何が起きたか分からないまま、浩二が床に伏せた
そこから流れ出た血の量は、尋常ではないほど紅く、床を染めた
その場に伏せた桜木は、銃を捨て、拳を握る
だがそれも、叶わなかったようだ
ミラはその胴体に蹴りを入れ、浩二の上を通過するような感じで、7mほど飛んだ
回転しながら受け身を取った桜木は、ミラを一瞬だけ見た
その手には拳銃。『Five-seveN』
P90のサブアームとして開発された銃なので、貫通力はもちろん凄まじい
そして、その銃口が
今、桜木の頭に向けられる
「使えない駒はすなわち・・・ゴミだ。いらないゴミは捨てる。ただ」
「「それだけの話だ」」
!!!
浩二はまだ生きていた
思わずミラが銃を下した
その隙を逃さない
桜木はナイフを抜き、ミラの首筋に振り下ろした
だが、近距離では最強だった佐藤・・・ミラには勝てない
そのナイフは桜木に向けられる
その時に、一瞬気配がしたのか
ミラが後ろを振り向いたその時に
「時空切断!!!」
その瞬間に
キィィィィィイイイイ!!!という甲高い音
その直後には、世界が静止した
「さて・・・浩二、手当をするぞ」
橘はそういって、手を傷口にかざす
「死神殺し」
そのとたんに、傷口から赤黒い物体が湧き出し、見る見るうちに傷を修復した
最後の・・・胸の銃創が治ると、浩二は立ち上がり、その場でしゃがみこんでいる桜木を抱きかかえた
それを見て、ため息をついた橘は
「時空修復」
また、甲高い音とともに
ミラがナイフを振った
そして、状況を理解できていないのか
目を見開いたミラに
浩二は殺気を向け始めた
「・・・随分と派手にやってくれたじゃねぇか」
それを見たミラは、笑い始めた
「これは傑作だな。まさか生きてるとは・・・」
そこで言葉を止めたミラ
肩が震えてるのを見ると、おそらく怒り
「ッざけんな!!!!!!」
「やっぱりな」
思わず声に出てしまった浩二はにやける
「お前は、仲間を裏切り殺した。その行為は紛れもない敵対・・・俺たちに容赦という言葉はない」
ミラはそれを聞いて、笑う
視線はもちろん、浩二の・・・折れた2本の紅剣
「武器のない雑魚を殺すほど腐っちゃいない。地面でくたばってろ・・・暗殺者」
ミラはそう言い放ち、手を挙げた
銃を向けようとした浩二の手に
桜木の手がそっと乗っかる
「もう・・・やめて。ここでは争わないで」
初めてか。こんなか弱い桜木の声を聞いたのは
浩二は思わず銃を離した

帰還。それはとても重苦しい
負けに負けを重ねた浩二たちは、拠点に戻った直後に、全員寝てしまった
数時間後に最初に目が覚めた浩二は、怒りを抑えるために冷蔵庫から炭酸水を取り出し、飲み始めた
そして、冷静になった浩二の頭の中に
一つの疑問が生まれた
「薙咲は・・・どうしたんだ?」
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by dokkanogunmania | 2012-05-25 19:10 | 小説「Assassin」
体育館を駆ける浩二
その先には、あの血体が立ちはだかっていた
その血体は、攻撃力が皆無というデマをつかまされて死んだ桜木の仇
浩二の怒りに震え
「この・・野郎がァ!!!!!!!」
ドンッ!!という床を蹴る音とともに浩二は常人では考えられないスピードで突撃する
そして、剣の間合いに入り
振りおろそうとしたときに
血手
こいつが爪を立てて襲いかかる
それを何とかガードでやり過ごすと
視界の隅で脚が床を抉って飛ばすのが見える
なんとか避けきれたが、このままでは持たない
対ブラッドポイズン用の弾薬を用いた特殊部隊も手を出せない
雑魚ばっか相手にしてっからだよ
浩二は半ば呆れた状態でそう思う
覚醒状態から強制的に戻された浩二は、もう戦うことしか出来ない
それが、桜木への弔い
そして、唯一ストレスを発散できるもの
浩二の頭には、その「戦う」コマンドしか無かった
だが
数分でそれは変わる
突如「逃げる」コマンドが出現したのだ
何故そうなったのか
理由は明白だった
『融合』
血足と血手、さらに血体が融合し、一つの『ブラッドポイズン』として生まれ変わった
浩二は剣を収め、体育館の外へ逃げ出す
「おい!!」
橘が騒ぐ
その後を、融合した未知の物体が追いかけてくる
・・・実は浩二の作戦だ
工藤が追いかけたので分かった
あれは『アンブッシュ』
待ち伏せで仕留めるつもりだ
だが、浩二を狙った
予想はしていなかったと見ていい
浩二は逃げたのではない
罠に誘うために走っている
そう思って渡り廊下を疾走する
その後を、すさまじい足音とともに追いかけてくる
そんなやり取りをすること10分
工藤がどこにもいないことに気づく
それに加え、あの特殊部隊の強襲
「裏切りなのか?」
浩二はとりあえず隠れ、敵をやり過ごし、無線をとった
すると、緊迫した声が入ってきた
「こちら裏神・・・暗殺者」
「何があった」
「芽衣が・・・芽衣が・・・暴れ始めた」
!!!
額に汗をかいたのを今でも覚えてる
そんくらい強烈だった事象
桜木が生き返った
そこがまず驚きだった
さらに
暴走を始めた?
こりゃやばいんじゃないのか?
浩二は思わず力が抜けた
「それで?どんな状況だ」
「部隊の兵が半分は殺られた。しかも驚くことに、ミニガンを2挺を構えて・・・くっ!!『絶対反射!!』」
そう唱えた瞬間、遠くから本当に機関銃の爆音が聞こえてきた
それを聞いていたのか、工藤が無線に割り込んできた
「おい!どうなってるんだ?」
「桜木が生き返った。それはいいが、お前が呼んだ部隊がそいつ一人で殲滅させたらしい。今はミニガンをぶっ放してる」
「このままそこに敵が突っ込んでってくれりゃ安泰だな」
「・・・その敵なんだが・・・」
浩二は融合したことなどを話した
工藤の声が少し低くなった
「・・・融合型。おそらく頭はまだ融合してないから、気をつけろ」
「ちなみに聞くが、あいつの名前ってあるのか?」
「あるさ・・・『レイン・フィアー』って名前がな」
そこで通信は終わった
浩二は神経を極限まで研ぎ澄ます
そして、全てを呑む
そこに躊躇いはない
ただ、蒼の光となり、幻想を創造し破壊する
浩二は剣を抜いて、一気に駆けだした
「ウガァァァァァァァァァアアアア!!!!!!」
咆哮とともに剣を振り上げる
そこにいたのは、レイン・フィアー
相手は紙一重でそれを避け
腕を振るった
ギィン!!という音と、火花が交差する
浩二は剣をそのまま滑らせ、空いていた胴体にぶち込む
もちろん、死角はない
そこから出てきたのは、さっき桜木を殺した『血の槍』
「同じ攻撃を・・・」
それを見切り、躱した浩二
「2度も喰らってたまるかァ!!!」
カウンター攻撃。それはかなり深かった
だが
気づいた時には手遅れだった
槍は進行方向を即座に変えて、浩二の脇腹を喰らっていた
さっきとは逆だが、こっちのほうが深い
そこに追い打ちをかけるように、蹴りが飛んできた
しかも、音速で
浩二の剣はそれを受け止めた
そこで予想も出来ない事が起きた
2本の紅剣が『折れた』のだ
しかも根元から
これでは戦えない
とりあえず浩二は隙を見て走り出したが
それを追いかけるレイン・フィアーは速い
だが、捕まるまいと浩二も走る
「こちら暗殺者!!ターゲット発見。だが、剣が折られた!!」
「こちら裏神。落ち着け、今援護に・・・!!浩二伏せて!!」
!?
こんな感じだった
あり得ない光景
非日常でもそうそう。いや、絶対にあり得ない光景
『ガトリング2丁持ち』
そこに、桜木がいるのは分かったが
殺気がとてつもない勢いで浩二を狙っている
いや、この場合は辺り一帯を包んでいると言ったほうがいい
「・・・死ね。雑魚は地面に帰れ」
その瞬間に、双方のガトリングガンから火が噴いた
一瞬で蜂の巣になったレイン・フィアーは
ダン!!という音で
逃げて行った・・・
その時にはもう弾が切れたらしい
浩二はその場で座り込む
「こちら暗殺者。桜木が敵を撃退した」
「了解。体育館集合だ」
橘の意気揚々とした声が全員を癒す
「・・・死ね」
無線ではない
目の前にいる、桜木が放った声
その手にはガトリングはない
代わりと言うばかりに、リボルバーのM500が握られている
「まだ終わってない・・・か」
浩二はそう呟き
胸に隠しておいたタクティカルナイフを取り出した
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by dokkanogunmania | 2012-05-24 17:24 | 小説「Assassin」
中心都市クラウスト
その中心部にある学校は小中高一貫らしく、広い
所々に薬莢が落ちてるのを見れば
ここで戦ってたというのが分かる
しかも弾幕戦だったのだろう
暗闇でも一目で分かるくらい至るところに薬莢が落ちてる
浩二が率いるブラッドポイズン討伐隊(仮)は、学校を拠点にしたブラッドポイズン
血足、血手、血体の合体阻止も兼ねて倒しに学校に潜入した
広すぎてどこにいるか分からない
浩二は少しため息をつきながら、チェックした場所をクリアリングしていくのであった
浩二と工藤が主戦力
薙咲が敵を引きつけ、攻撃
橘と桜木はバックアップを務める
さっきの工藤の説明で振り分けが幾分楽になった
浩二はとりあえず一番怪しい「体育館」に入ることにした
だがここで
『気配』がする
あいつらの
いかにも気づいてるという感じだ
殺気が膨らみ始めてる
「・・・敵いる可能性が極めて高い。突入準備」
浩二は囁くように命令した
そして、カウントダウンを心の中で済ます
「殺るぞ・・・!!」
ダンッ!!!
ドアを一気に開放し、散開する
そして、異様な光景
驚くことに、3体全てがここに集まっていた
即座に抜刀した浩二と工藤は
まるで長年パートナーとして組んできたような連携を見せる
血手に浩二は目をつけ、左の逆手に持った剣を薙ぐ
バッ!!
一瞬で浩二の視界から外れた血手は
浩二の真後ろに回り込み
その鋭い血にまみれた鉤爪で襲いかかる
だが
シャッ!!
工藤の伸縮紅刀が振り下ろされ
当たった
爪が切り落とされた
血手は急いで扉から逃げて行った
「くそ!逃がしたか!!」
浩二はその時
一瞬と言う刹那の時間
敵から完全に目を逸らした
それは・・・油断
薙咲が駆ける
全力で!!
最後の一歩で
思いっきり踏み込み、浩二を
薙いだ
フォン!という音で浩二は
「斬られた」のではなく、吹き飛ばされた
刀で言う「峰打ち」状態だ
浩二はその行動に目を見開き、言葉が出なくなる
そして
グシャッ!!という生々しい効果音があってもおかしくないほどに
薙咲が吹っ飛ばされた
ダンッ!
床に叩きつけられた薙咲から、鮮血が飛び散る
体中の傷口が開く
それに加え、背中には裂傷
血手の瞬間移動による
囮攻撃だったのか・・・
浩二は
怒りに震える間もなく
頭から血の気が引く感覚に襲われた
「・・・浩二?私は・・・」
薙咲のか弱い声が聞こえる
その顔は血にまみれている。だが
笑顔だった
「大丈夫・・・だからさ。きっと、こういう運命だったんだよ」
その声は
恐ろしく純粋で
逆に浩二の怒りの感情を掻きまわす
「・・・ふざけんな・・・お前はァ!!!!」
!!!
全員の顔が引き攣る
その一喝に込められた思いは
殺気になって
辺りに飛散する
「薙咲。お前は今俺を守った。その報酬を受け取らずにどこに逃げるつもりだよ」
浩二は剣を持ち替える
その眼は鋭く、研ぎ澄まされた閃光・・・
そこから放たれる赤黒い殺気は、血足、血手、血体に向けられる
「雷希は死なせない。絶対に・・・」
浩二はそう囁き、目を閉じる
「橘、雷希を頼む」
そう言って
真剣に向き合った
対する血手たちは感情なんてものはない
「う・・・」
呻き声を上げる浩二の眼はすでに人ではない
「・・・覚醒したか。全員下がってた方がいい」
工藤はそう言って、橘の反射が効く場所まで後退した
桜木も、下がろうとするが
ターゲットを急遽変えたらしい血体が目の前に来た
仕方なく桜木は剣を抜き、倒そうとする
「・・・!!」
それは「死」
死神は突然現れるものだ
それは予想外、油断という穴から出てくる
この場合は『予想外』
血体は基本的に能力の上限を解除するものだけに使われるものかと思っていた
故に攻撃能力は皆無
その予想外という穴から
死神が這い上がってきた
常人では見切れない
これもまた『一瞬』という時間
そこで起きたのは
血体の胸が突如開き
そこから
赤黒い
血の塗装を施した槍が

ザシュッ!!!

桜木の体を貫き通す
その音はあまりにもリアルで
ある一つの単語を連想させる
『即死』
その言葉が浩二のリミッターを外し、さらには
全身の血液の流れが加速するように
暴走を始めた
桜木はそのまま
薙咲と同じように
地面に叩きつけられる
穴が開いた胸からは
血が溢れだしていた
「・・・即死だ。くそったれがッ!」
工藤は床を殴る
橘は・・・その紅い眼から大粒の涙が
こぼれた
「・・・うああああああああああああああああああ!!!!!!!」
浩二は発狂しながら
剣を振う
パァン!!という爆音とともに敵に迫る刃は、音速
それを目の当たりにした血手は
悠々と移動をする
斬撃はそれを追う
だが、近づけない
音速と光速では
意味が違う
そして、この時も
油断が生じていたのかもしれない
バンッ!!という音で
気がつけば
体育館の床が抉れ、破片が
浩二の脇腹を飛ばした
「浩二!!!」
工藤は倒れた浩二を引きずる
今の一撃は血足
浩二は油断をしていた
2度も
そして、1人の女を瀕死に
いや、既に死んでるかもしれない
「・・・ぐ・・・ぁ・・・」
浩二は剣を取ろうとするが
血が噴き出て、そのまま意識を失いかけた
完全に失わなかったのは
多分
この音があったからだろう
バリバリバリバリバリバリバリ!!!!
突然重機関銃が火を噴く
驚きを隠せない橘に
笑顔で
「俺が呼んでおいた。ブラッドポイズン掃討部隊だ」
攻撃ヘリは、昼間見たアパッチだが、色が違う
重機関銃が開けた穴から見える色は・・・漆黒
黒いアパッチから放たれた銃弾は、おそらくブラッドポイズン用
破壊力がすごい
浩二は薄れていく意識の中
それを見届ける
サッ!!
その攻撃力に驚いたのか
3体のブラッドポイズンは逃げ出す
しばらくすると、黒い戦闘服を着て武装した兵士が来た
全員武器はまちまちだが・・・
驚くことに、ミニガンを装備してる兵までいる
まぁ2人がかりで持っているが
そして、浩二はなんとか応急処置をされ、一命を取り留めた
だが
薙咲は既に危篤状態
心肺停止の状態だった
近くの病院で緊急手術を受けることになった
そして
桜木は
既に死んでいた
瞳孔に光はない
見開かれた目をそっと閉じた浩二の手が
震えていた
「くそ・・・ったれが!!何で・・・こいつらが・・・!!!」
浩二を見ていた橘が、少しばかりか
微笑んでいた
「浩二。安心しろ。橘の能力があれば死人を生き返らすことは出来る」
工藤はそう言ってその場を離れようとする
「・・・どこに行く」
浩二は低い声で聞く
「仇打ちだ。すぐに首を持ってここに戻る」
そういって、手を挙げながら
闇の中に消えた工藤を
見送るのであった・・・
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by dokkanogunmania | 2012-05-20 15:40 | 小説「Assassin」
工藤斬魔
限られた人間に与えられる『スキル』
その中のトップクラスと言われる『暗殺者』のスキルの保持者
地球には15人しかいないらしく、日本には3人いたらしい
「暗殺者は、スキル保持者の中でもトップクラスの攻撃力とスピードを誇る」
工藤はそのまま剣を音もなく抜き浩二の視界から消える
浩二は考えるよりも先に
手が動く
ガキンッ!!
「・・・寸止めのつもりだったんだがすげぇな。あんたは裏のほうでは有名だが、まさかこんな強いとは思ってなかった・・・マキラを思い出す」
「・・・マキラ・・ねぇ」
浩二はその固有名詞に反応する
今では裏切り敵と化した反対派の5大将軍
そのうちの『紅の将』ことマキラは、ミラ軍に捕まり惨殺された
マキラはとてつもない攻撃力を誇り、聞いた話によると、勝率は99%
ほとんど負けていない
浩二はそれだけ強いということだが、いまいち実感がない
「それは・・・あんたの周りにいる人間が全員なんらかのスキルを持ってるからだ」
まるで心を読み取ったように語りかける
「実を言うとな・・・日本にいる暗殺者保有者ってのは、俺とお前。それと、佐藤輝だ」
「・・・!!!」
工藤の発言に、浩二は一瞬息が止まる
「佐藤輝は、あんたのサバゲー仲間だったやつで、お前も知ってると思うが、あいつは元傭兵だ。調べたところ、潜入任務の成功率が100%だった」
「・・・なんで、あいつが」
「待て。あわてるのは早い。そこにいる薙咲雷希と桜木芽衣。さらには橘・・・零火もスキルを保有している」
工藤は橘の名前を出したとたんに少し焦りが見えた
橘のほうは「?」と言う感じだったが
「・・・で、こいつらのスキルって言うのは」
「橘は見ての通り、絶対能力というスキルを持っている。おそらくスキルの中では最強だろう。暗殺者と並ぶ強さだ」
「言えばその通りになるあれか・・・」
「正確にいえば頭の中でイメージしたものがそのまま現実世界で起こるって考えた方がいい」
橘は黙ってはいるが・・・少しずつだが何かを感じ取っているような気がする
そして、浩二もどこからか殺気がするのを感じ取った
「そんで、薙咲は『爆薬使い』。爆薬の扱いが上手くなるほかにも、戦いが派手になる。それに伴って攻撃力が上がる。結構上位のスキルだ」
それを自覚してなかった薙咲は目を見開く
「・・・私は自覚している」
そう言ったのは桜木
「知ってるよ。あんたの経歴はこっちで調べたが全く分からなかった。スキルは言うとヤバいのか?」
工藤は気軽に聞いてるが、冷や汗をかいてる
それが桜木に対してはなく、別の・・・殺気のほうだ
「・・・浩二は私の経歴を知ってるから問題ないが、雷希と零火は知らない。故に言ったらまずい」
「そういうことね・・・」
工藤はさりげなく構えてる
それを感じ取った桜木も構える
・・・桜木は元某国特殊部隊員のスナイパーだ
それだけじゃない。キルトラップを仕掛け方や、近接戦闘においても人間を超越する身体能力の持ち主。それが桜木芽衣
浩二は桜木を一度だけ救ったことがある
それから桜木は浩二を信頼するようになったという過去を持つ
視力も6.0とマサイ族並み
・・・これは聞いた話だが、握力はあの細くて可憐な指からは想像しにくいが
95キロはあるという
にわかには信じ難かったが、これはつい最近の『スラム制圧』の時に嫌というほど証明をされた
首を素手で簡単に握りつぶし、引き裂くのは並みの人間ではまず出来ない
桜木はこのメンバーの中でもトップクラスの攻撃力を保持すると言っても過言ではなかった
工藤が、それの説明をしようと口を開けた瞬間
「吸収」
橘はつぶやく
ガッ!!と目の前が光ったかと思うと、石ころが・・・煙を上げて落ちた
「血足だな。あっちから仕掛けてくるとは予想外。迂闊だったな」
工藤はそんなことを言っているが
「絶対反射。そして光の槍を穿つ」
バババババッ!!
音速で飛んでくる無数の石ころが跳ね返され
そこからさらに
一筋の・・・例えるなら、超電磁砲
あんな感じの光が石が飛んできた方に向かって
突き刺さる
その光は、もう既に暗くなった夜空を明るく照らし
人々が避難した中心都市クラウストを光の槍が駆け巡る
「血手と血体を確認。血足も近くにいるが・・・」
「頭もいる。俺はあいつと1度だけ戦ったことがあるが・・・とにかく強い。頭だけは特に。あれ単体でもランクはA以上だ。気をつけろよ?」
「ランク・・・か。AAAランクと戦った俺がいるさ」
浩二はさりげなくそういうと、工藤と橘は目を見開く
「公式では、Aランク以上のブラッドポイズンと対等に戦えるのはあの5大将軍の中でもマキラくらいだ。AAAランクって・・・そんなの進化形の龍族か最下級の神ノ族くらいしかいない・・・それと戦って今ここにいること自体が奇跡だが」
工藤はそんなことを言いながら
遠くを観察する
「たまたま逃げ切れただけだ」
浩二はそう言って時計を確認する
黒い軍用腕時計は、7時57分を指した
「戦えってことか」
浩二はそんなことをつぶやき、笑う
「祝杯がてら、あいつらに俺たちの強さを見せつけてやる。突撃準備!!」
浩二はそう言って全員の顔を見る
笑っている
それ以外の感情をもつものは一人もいない
戦闘準備が整ったということだ
午後8時。星の明かりに照らされた中心都市クラウストに
号砲代わりの銃声が鳴り響いた
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by dokkanogunmania | 2012-05-20 15:40 | 小説「Assassin」
ダダダッ!!
路地裏に銃声が立て続けに響く
敵は2人。メイン武器はAK47
ミラ軍の残党だが、それももう反対派の部隊や橘が片づけてしまったせいで
ほとんどいない
おそらくこの2人が最後と見ていいだろう
建物の陰から必死に銃口を向け、撃ってくるが
焦っているため、当たらない
まるで自分の体を避けるように飛んでいくと笑うのは
黒い戦闘服の上に、IH製の防弾コートを着ている浩二
紅剣は背中に隠し、いつでも抜刀出来る状態にしてる
こちらのメイン武器は、P90
AK47と決定的に違うのは、貫通力と殺傷能力。そして弾数が圧倒的に多いこと
弾はFN社が銃の開発と共に独自に制作された5.7×28mm弾を使用する
その貫通力は、200メートル先のケブラー製ヘルメットを貫通させるほど
それと、人体などの軟体に当たっても弾の比重により貫通するのではなく周囲の組織を押し広げるように破壊していくために、殺傷能力も極めて高い
そして何よりも
弾数が多い
その独特なマガジンの装弾数は50発
銃の取り回しも良いこの銃は
正に脅威だ
「おい・・・何こそこそと隠れてるんだ?」
浩二は笑いながら
引き金を引く
900発/分で発射された弾は
容赦なく敵が隠れているコンクリの壁を貫き
敵の体に着弾する
短い悲鳴が2つ
浩二は銃を弾が切れるまで撃ち、マガジンを交換しながら
敵の安否を確認するが
案の定頭がバラバラになっていた
「こちら暗殺者。ターゲットの撃破に成功した。裏神、応答せよ」
「・・・こちら、裏神。どうかしたか?」
「敵が弱すぎる。これは俺の勘だが・・・おとりじゃないのか?」
「何?」
橘は一瞬戸惑う
「もしこれが本当だったとしたら・・・そろそろ何かが来るはず・・・?」
浩二は話を途中でやめ、近づいてくる音を確認してから
「今すぐ合流する。拠点に戻れ」
と、全員に指示を送った
爆音は
確実に近づいてくる
それも、かなりの『数』
拠点に合流した3人もそれに気づいてたらしく
少し緊張していた
もちろん橘は問題ないが・・・
「とりあえず・・・雷希と芽衣はこれで撃て」
そう言って取りだしたのは
地対空ミサイルの『FIM-92スティンガー』
そう
爆音と言うのは
攻撃ヘリの事だ
「・・・浩二は?」
薙咲が不安そうに見てきたので
「俺は問題ない」
そう言って取りだしたのが
『M47ドラゴン』
こちらは対戦車用の誘導型のミサイルなので、射程距離が1kmほどとなる
まぁ頑張ればヘリの1機や2機くらいは撃ち落とせるだろう
浩二は真顔で作戦を話し始めた
「これから、ヘリを撃ち落とす。目標は全機破壊だ。最終的には橘がいるから問題ないが、出来るだけこっちで攻撃しよう」
「分かったわ・・・!!」
いきなり薙咲が会話を止めて、目を見開く
そして、生唾を呑んだ
その透き通った瞳には
恐ろしいものが映ってる
浩二も冷や汗をかいている
恐る恐る・・・後ろを振り返った浩二は
「・・・ッ!!」
思わず腰が抜けそうになる
鮮血に染まった『脚』だけが
歩いてる・・・!!
こちらに気付いた様子はないが、見つかれば間違いなくヤバい
とりあえず浩二はそいつをやり過ごすと
・・・その場に座り込んでしまった
「橘。今のはなんだ」
「あ・・・あれは・・・『血足』と呼ばれる融合可能のブラッドポイズンだ」
「融合・・・ってことは、まだ別の部位がどこかにいて、合体すると」
「恐ろしい攻撃力を持つブラッドポイズンに生まれ変わる。だが、まさかここに現れるとは思わなかった」
橘はそのまま周りの様子を窺い、近くにあった高いビルに入る
浩二たちもそこに入ると
住人が怯えながら座っている
浩二は武器を下し、手を挙げる
「俺たちは敵じゃない。大丈夫だ」
そういうと、そこにいた住民たちは静かに頷く
浩二は橘と薙咲をその場に残し、最上階へ
ここのビルは40階まである
周りにもそれ以上高いビルはそんなにない
エレベーターで最上階にたどり着くと
「・・・!?」
サイレンサーのついたAK74を持った敵がいた
浩二はその場にM47ドラゴンを置き、素早くガバメントを抜く
敵がそれに気付き、銃を構えたが
それより早く、桜木が何故か持っていたナイフを投げる
短い悲鳴と共に一番左にいた兵士が倒れる
それに気を取られた隙に、浩二はガバメントを連射する
1発撃つごとに敵が1人ずつ倒れていく
あと1人!
だがここで
カチッ!カチッ!
・・・ジャムを起こした
要するに弾詰まりを起こしたガバメント
浩二は焦る
それに気づいて我に返った敵兵は
構わず撃ってきた
(もう・・・無理かッ!!)
浩二は目をつぶり、死を覚悟する
だがここで
「反射」
そう頭の中で聞こえた
その声はとてつもなく冷たい。感情の籠ってない声
それが恐怖に変わろうとした瞬間
ぐあッ!!
敵が倒れた
「・・・何が起きた?」
浩二は敵の死体を見る
心臓部には銃創がある
即死だ
「裏神、応答せよ」
「こちら裏神・・・どうかしたか?」
「お前の仕業か?」
「いや・・・何もしてないぞ?」
その返答に息が止まる
じゃあ誰が?
浩二はその場で立ち止まる
音がシャットアウトされ、無音の世界に足を踏み入れる
考えてることはただ一つ
誰の仕業か
あれは俺が?
まさか。そんなわけがない
「・・・おい!伏せろ!!」
無音の世界に桜木の緊迫した声が入る
それで我に返る浩二が後ろを振り向こうとした時
バリバリバリバリバリバリッ!!!!!!!
重機関砲が火を噴く
窓が粉々に砕け、弾が飛び交う
浩二は咄嗟に壁に隠れる
「こちら暗殺者。全員大丈夫か」
「殺人蜂。異常なしだ・・・攻撃ヘリのAH-64が1機こちらを攻撃してきた。さっき目視で確認したのは8機だ」
「・・・『アパッチ』が8機?どこの部隊だ?」
「こちら裏神。多分ニアの特殊掃討軍のヘリ部隊だろう。あいつらを撃ち落とせば特殊部隊軍と後々戦わなくていい。今からそっちに応戦・・・?!」
「どうした裏神」
「・・・奴が・・・いる!」
橘の声は、震えている
「あの血足ってやつか?」
「うん・・・でも、攻撃対象は私たちじゃない」
そう言った途端に
ドォーーーーン!!!!
外で大規模な爆発が起きた
爆風が浩二たちを襲う
「ヘリが爆破されたぞ!どういうことだ!」
「これが血足の特殊能力『加速砲弾爆撃』だ」
その言葉通り、音速を超えた何かがヘリにぶつかり、爆発
それを繰り返し、数分後にはヘリが全滅した
「こいつを止めないとヤバいことになりそうだな。裏神と爆弾狼、聞こえるか?」
「聞こえてるわよ。あの血足っていうのと戦うつもりなの?」
「もちろんだ。あれがブラッドポイズンなら戦わない理由はない。あの化け物を倒していかないとあとあと困りそうだしな・・・」
浩二はそういうと、M47ドラゴンを外に向かって撃つ
弾頭は橙色に輝く太陽のほうに向かい、爆発する
その時
遠くの地面が一瞬光る
「・・・伏せろ」
浩二が察した通り、血足のターゲットが浩二たちに向いた
その証拠に、浩二の真後ろで爆発が起きた
光った場所は約1.2km先
学校のような場所から何かが射出された
おそらくそこに『あいつら』がいる
浩二はそう確信して、無事だったらしいエレベーターに乗った
「・・・総員に告ぐ。今から標的を変更する」
浩二はにやける
その隣にいる桜木も・・・笑っていた
下に降りると
橘が真剣な顔で待っていた
その手には、恐ろしいくらいに研ぎ澄まされた紅剣
属性が含まれているのか、群青色の粉が剣を這うように舞っている
「あいつは『巣』から攻撃してきた。こちら側から行かないと出てこない」
「その『巣』ってのは・・・」
「ここから1.2km先の廃校だ。だが嫌な予感がする」
「まさか・・・他の奴がいるとか?」
「あぁ。瞬間移動を能力とする血手と、合体することでそいつらの能力を飛躍的に高める血体と・・・」
「頭がいるのか?」
「非公式だ。こっから先の情報は未確認だが・・・透明の血頭って言うのがいるらしい・・・能力はステルスと、破滅波を繰り出すことが出来る」
「破滅波?いかにもヤバそうな感じの能力だ」
「破滅波を最低ランクとして、その上に2つの技がある。『死滅波』と『滅亡波』だ。技によって半径は違うが・・・その半径内にいるものなら確実に死に至る技だ。ちなみに私も禁じ手ではあるが、一応全て繰り出せる」
「・・・もうヤバいな。対処法とかはあるのか?」
「私の反射で繰り出した奴が即死だ」
そう言って橘は笑う
すっかり忘れてた。こいつの「言葉にしたことを全て現実に適応する能力」を。とてつもなく戦いが混沌化してるのは気のせいだろうか
浩二はいろんな意味で泣けてくるが
ここでくじけるわけにはいかない
「突撃は今から2時間後の午後8時ジャスト。その時間はあいつらの活動が活発化するけど・・・攻撃力が半減する」
シャッ!と
剣を収めた橘はそのままビルを出る
所々地面が抉れているのを見ると
どうやら血足が音速で飛ばしたのはただの石らしい
石ころで攻撃ヘリを一撃で破壊するほどの脚力
それがもし合体して完全体になった場合
おそらくこの街は
「破滅するだろうよ・・」
!?
その声は、目の前のビルの・・・上
夕日に照らされる、スキンヘッドの男は
TシャツにGパンというラフな格好だ
背中には小さい剣が2本収まっている
そのスキンヘッドの男は
およそ5m上の屋上から軽々と飛び降り、浩二たちの前に立ちはだかる
その顔には殺気は含まれておらず、笑顔だ
「あんたらって・・・日本人だろ。最近来て活躍中の騙された新入りさんってとこか?」
男はそのまま膝をはたくと、警戒心もなく浩二に近づく
「何者だ」
浩二は相手の腰についてるホルスターに収められてる銃を見る
コルトのSAA・・・通称『ピースメーカー』
迷彩塗装された銃身が露になっている
「あんたは見る目がいいな。この銃が気になったのか」
「早撃ちでもするつもりか?」
浩二は笑いながら聞くが
警戒はしている
早撃ちされればひとたまりもない
まぁ橘が動けば別だが・・・
「元々早撃ちが好きだったんだが・・・この弾は最近開発された対ブラッドポイズン用の弾丸の試作品でな。俺は身軽さ命でこの仕事をやってるからな」
そこに、聞いたことのない単語が
対ブラッドポイズン用の弾丸?
試作品ということはまだ実戦配備されてないということか?
浩二の頭の中で行き交う言葉をまるで理解したように
「この国ではかなり前から研究されてた。まぁそういうのはとにかく後回しってとこだ。また落ちついたら説明する」
「・・・ならまず名前を名乗れ」
浩二はナイフを抜こうとするが
それに気づいた男は笑う
「まぁまぁ落ちつけ。俺は敵ではない。血足を狙ってた同業者がいたからついでに手伝ってもらおうとしただけだ。名乗ればいいんだろ?」
男はそのまま剣を取り出す
それを振った瞬間に
ガッ!!
50センチほどだった短刀が、1メートル以上に伸びた
「伸縮紅刀の使い手の工藤斬魔。それと、お前は自覚がないが、俺はスキル『暗殺者』を持つ人間の1人だ」
剣を横に伸ばし
何かを斬った
工藤はそのまま宙に舞い、剣を振り下ろす
グシャッ!!という音と共に血が降り注ぐ
そこに落ちたのは
最初に見たブラッドポイズン・・・
『ホロイ』だった
「こんな腕で仲間になれってのは少々無理があるが・・・協力させてくれ」
そういうと工藤は刀を収め、握手を求める
浩二はそれに応えるように、その手を強く握りしめた・・・
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by dokkanogunmania | 2012-05-18 22:19 | 小説「Assassin」
バリバリ・・・
こんな感じだろうか
一応浩二たちの所有物らしい倉庫の中の空気は、殺気で満たされている
防弾シャッターは粉々になり、辺りには40人近くの敵兵の死体が転がっている
それを後ろに蹴り飛ばし、紅剣を構えているのが
反対派「黄」の将軍・・・フライ
ミラ軍とは敵対しているのか、武器はAKシリーズではなくM4だ
おそらく、同士討ちでも起こりかねない状態だ
浩二はそんなことを思いながら、フライに近づく
「・・・間合いに入るのが怖いのか」
フライがそういうと、浩二は
もう無言で
剣を構えた
その瞳はもはや
常人の数十倍の殺気を放つ
「・・・ハッ!!!」
声を上げ、飛びかかったのは・・・浩二
右の剣を高速で振り下ろす
ガキンッ!!
当然の如く弾き返される
その反動で、今度は左の剣を右から左へ薙ぐ
それをフライはスェーバックで避けると、反撃してきた
浩二はそれを受けようと態勢を取ったが
バリッ!!
2本の剣が悲鳴を上げる
それだけ重い
「・・・くっ!」
浩二も力いっぱい剣を押し返すが
力を入れれば入れるほど重さは増す
ザッ!!
剣を一気に引き抜き距離をとる
「馬鹿が。逃げても無駄だ!」
攻撃補助用なのか、フライの剣はリーチが短い
だが、その分フライの足の速さが尋常じゃない
一瞬でコンテナの隅に追いやられた浩二は
剣を構えようとするも
目を見開き、今自分が死地に立たされてることを悟る
それを見たフライは笑う
その笑いには、異常なほどな殺気が含まれている
浩二にはもう逃げ場はない
後ろにはコンテナ
横と前かのどちらかに行けばフライの斬撃によって即死は免れない
紅剣は元々ブラッドポイズンの外殻「IH(インフィニティットハニカム)」を切断するために作られた事実上最強の剣
斬れぬものはないと言っては過言ではない
防弾性のシャッターがバターのように斬れるその刃は
アンチマテリアルライフル弾をそのまま剣にしたようなもの
まともに当たれば肉が砕け散る
「馬鹿が!!」
パァンッ!
剣が爆音を立てて浩二に迫る
その速度は・・・音速
もう逃げる場所はない
だが
「ここで」
浩二はそういうと、剣を振り上げる
「勝ち誇ったような」
剣はぶつかり火花が散る
「顔をッ!」
バンッ!!という音とともに
フライが飛んだ!
「するなァ!!!」
浩二は形勢逆転と言わんばかりに追い込む
跳躍し、右の剣を
そのまま
フライの体めがけて
突き立てたっ・・・
ガスンッ!!!!
コンクリートが砕け散り、舞う
フライは
その破片の中にいた
立ち上がり、不敵な笑みを浮かべる
「・・・間一髪と言ったとこか」
フライはそういうと、剣を収めた
「なんのつもりだ」
浩二はフライが武装を解いたことを不審に思った
が、その思いは
・・・!!
一瞬にして消えた
フライの右太腿から血が噴き出ていた
3分の1ほど裂けている
だが、まともに当たったならすでに脚は木っ端微塵だろう
それがないと言うことは
掠めた
それしかない
浩二は改めて自分の体に異常はないか確かめるが・・・ない
どこも痛みを感じないことと、血が一滴もないことが正常だということを物語る
「分かったみたいだな。今日はこのくらいにしてやる」
フライはそういうと、黒い戦闘服の帯を靡かせながら
「またどこかで会おう」
そんな台詞を吐いたとたんに恐ろしい瞬発力で駆けていった
浩二は剣を収めると、薙咲たちの方を見る
目は見開き、放心状態
ちなみに3人とも
浩二は溜息をつきながら3人を元の状態に戻し、とりあえず拠点に戻ってみた
扉を開け、中を確認したが誰もいない
荒らした形跡もない
だが、安心は出来ない
この街は敵に占拠されている
おそらく、もうそろそろ敵が回ってくるだろう
「全員、戦闘態勢だ。目的はこの街の敵の撃退あるいは殲滅。もしくは隠密で脱出し、態勢を立て直した後外部攻撃での撃退か殲滅だ」
浩二はそういうと、立てかけてあったP90をとる
「・・・了解。只今より作戦を展開する。指示を頼む、暗殺者」
そう言った橘はそのまま外にでる
「反射」
何度も聞き慣れたその言葉は凛としてなお、恐怖が走るほど冷静で
氷の刃が直接体に刺さるような錯覚に陥る
それが味方の俺だから
敵には相当な殺気としてとれるのではないか
悲鳴とともにバタバタと敵が死んでいく
まさか自分の撃った弾が返ってきてなおかつ心臓に撃ち込まれるんだからたまったもんじゃない
浩二はそのまま外にでると
ふと気になったことを口走る
「橘。そういやなんでさっき助けなかったんだ?」
「そりゃ・・・めんどくさかったから!!」
・・・この先が思いやられる新たなスタートとなった
正確にいえば戦いの火蓋が切られたともいう
中心都市クラウスト奪還作戦が決行され、浩二はもう
『泣き顔』である
それを見ていた薙咲たちは、笑っていた・・・
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by dokkanogunmania | 2012-05-18 22:19 | 小説「Assassin」
世界でも数人しか持っていないスキル「暗殺者」
それ以外にも種類は豊富にあるが、全て世界に数人というレベルでしか存在しない
そのスキルを持つものに付きまとうリスク
それは「暴走状態」
何かを引き金にして起こる現象らしく、ほとんどが瀕死の重傷、あるいは仲間の死などが引き金になっている
浩二の場合は、何か強大なものに追い込まれて、なおかつ侮辱されることを引き金としている
そして、暴走状態を止めるには
一定の量の殺戮あるいは自己の死。もしくはとてつもない精神的ダメージ
今の浩二は、明らかに「殺された」感じだ
まるでブレーカーが落ちたように
その混沌とした意識の中で、見えたものは
紅の光線と蒼の光線が、お互いに混じり合う光景
そしてそれは、次第に膨らみ
限界まで達したのか
音も立てずに割れた
まるで、スタングレネードを喰らったかのような
そんな衝撃だった
その直後、自分が加速しているのが分かった
上に・・・上に・・・
徐々に加速しながら上昇している
「うわぁ!!」
目が覚めた
浩二はあたりを見回す
(・・・独房か)
浩二は独房に入れられていた
あの暴走状態がよほど相手にとって不利な状況だったのか
そう考えれば
裏切られた
浩二は憤りを覚えた
そして、当然だが装備品は全て没収
ダクトから逃げようと思ったが絶妙なタイミングで見張りが来たようだ
とりあえず気を失ってる振りする
見張りはそのまま通り過ぎて行った
それを確認すると、浩二はダクトに入り始めた
しかし、脱出はもちろん不可能
少し先からせまくなっており、人が通れる大きさではなかった
だが、ダクトに入ったのは正解だったようだ
そこには
サイレンサーモデルのスタームルガーMkⅠが隠してあった
誰がこんなところに入れたのかはさておき、浩二は急いで弾の確認をする
弾は・・・入ってる
しかも、近くには予備のマガジン
ツイてるとしか言いようがない
とりあえず、浩二は銃を持ちダクトから出る
見張りがちょうど戻ってきたので銃を腰に挿し込み、立ち上がる
浩二を見た見張りは驚きの表情をしたが、すぐに真顔になり
ここに入ってくる
ただ、ここでは殺さない
ある程度話を聞いてからだ
浩二はそのまま立っている
見張りは、入ってくるとホルスターから銃を抜き、浩二に銃口を向けた
「グロックか。何も武装していない俺が怖いのか」
浩二はあえて挑発する
「お前は過剰殺戮の罪で捕えられた。ついでに、お前のお仲間さんもな」
「てめぇ・・・あいつらに何をした。事と次第によっては」
チャキ
その見張りは浩二の話を銃を構えなおすことによって中断させた
「お前よりは罪は軽い。あいつらは俺たちに協力をしたからな」
「協力?俺を気絶させたことか」
「それと、お前が持ってた武器の破壊もな」
よくよく考えたらあの場には薙咲と橘しかいなかった
そして、桜木は狙撃手
「・・・そういうことか」
「俺はあんたの処刑を命じられた。上のほうからの命令だ、悪く思うな」
そういうと、グロックの引き金に手をかける
浩二は微動だにしない
「・・・じゃあ、最後に聞いていいか」
「ふ・・・遺言か?」
「薙咲たちはどこに拘留されてるかだ」
「・・・?馬鹿かお前、聞いてどうする」
「最後に死ぬなら聞いても文句ないはずだ」
浩二がそういうと、その見張りの兵は黙った
だが銃は降ろさない
「・・・ここの隣のエリアの牢屋に入ってるはずだ」
「そうか・・・」
浩二はそういうと
一気にしゃがむ
腰に手を伸ばし、MkⅠを素早く抜く
あまりにもいきなりだったため、目の前の兵は銃を撃てなかった
浩二はその一瞬で
プシュッ!
引き金を引いた
アルミ缶を開けるような音とともに、その兵の心臓を撃ち抜いた
そして、浩二は素早くグロックを奪い取り、独房を脱出した
(とりあえずは・・・これでいい)
浩二はグロックを仕舞い、MkⅠを構える
隣のエリア
まぁそこまで行くには看守を倒す必要がある
とりあえず足音を殺して近づき、看守に強烈な肘打ちを喰らわせて昏倒させた
そのあとは、首の骨を折り瞬殺
浩二は難な隣のエリアに入ることが出来た
しかも、幸いなことに通路が短いうえに一直線
敵は1人なので、とりあえず頭を撃ち抜き
牢屋を探した
2つほど先の牢屋から人の気配がする
浩二は牢屋の近くまで行き、様子を見た
厳重に縄で縛られているが、性的暴行は受けていないな
もしかしたらこれからやるつもりだったのかも知れない
浩二はそう思いながら、さっき倒した見張りから牢屋の鍵を奪い、開けた
「・・・浩二!」
桜木が声をあげた
他の2人はまだ意識が戻っていないのか、反応しない
とりあえず、3人とも解放する
「とりあえず、話は後だ。装備品を奪還してここから立ち去るぞ」
「分かった」
桜木はすぐに状況を把握し、動く
そして、意識を取り戻した2人も浩二がいることに驚きつつも、すぐに動いてくれた
とりあえず、上の階に上がった
そこは倉庫らしく、ここは隠し階段だったようだ
とりあえず、倉庫に出ると
驚きの事実が分かった
「ここは・・・俺らが使ってる倉庫か」
浩二がメリモスを倒した倉庫に出た
浩二はとりあえず上がり、あたりを確認する
敵の気配はない
メリモスの死体がそのまま置かれているところを見ると誰も来ていないようだ
自らが跳ね落としたメリモスの首
よく見ると、恐怖で顔が歪んでいる
浩二はそのまま首を戻すと、傷の少し上の場所が盛り上がっているのに気付いた
纏っていた布をめくりあげると
「やっぱそうか」
秘匿用の短剣が2本隠されていた
鞘から抜くと、剣が妖しい光を放っている
おそらくこれも紅剣だろう
階段から這い上がってきた3人は、メリモスの死体を見るなり驚きの声をあげた
「メリモス・・・お前さっきの状態で殺ったのか」
一番驚いている橘が、目を見開いてそう言うと、近くにあった紅剣と紅矛を見つめる
「この武器・・・近距離戦も出来るやつだったのか」
そのまま武器を取ると、桜木に2本の紅剣を。矛を薙咲に差し出す
「何のつもりだ。橘」
浩二はそういうと、背中に手を伸ばすが
すっかり忘れてた
剣は没収されてて無いことを
「別に戦うつもりはないさ。これからに置いて、武装はしておいたほうがいい」
「そういうことなら、いいだろう」
それを聞き、薙咲と桜木は
剣と矛を受け取り、装備する
浩二があたりを探すと
紅剣が落っこちていた
没収されたのは銃器類だけだったらしい
これはマシンガンを取った時にそのまま落っことして置いていっただけだったのだ
その近くには、黒色の戦闘服が置いてあった
浩二はとりあえずそれに着替える
「浩二、これからどうするつもりだ」
「拠点がなきゃ行動不可能・・・だな」
浩二はそういうと、トラックのほうを見る
「トラックで移動すれば問題ないんじゃない?」
薙咲がそういうと、ほんの少しだが空気が和んだ
浩二はとりあえずトラックの荷台の荷物を確認しようと扉の取っ手に手をかけた
中から強烈な殺気がした
浩二はとりあえずバックステップで距離を取る
そして、気付かれないように辺りを見回す
木箱の上には、グロック18が置いてあった
それを取り、弾倉の確認を終わらせた浩二は
一気にドアを開放する
その隙間から
ダダダッ!!
銃弾を叩き込む
一瞬だけ敵が見える
3人
グロックから9mm弾が3発飛び出る
それは、敵の心臓に吸い込まれるように飛んでいき穴をあける
浩二は中を確認する
3人の敵兵は驚くことにAK74を装備したミラ軍の特殊部隊員らしい
すでに事切れてる3人から銃とマガジンを奪いとり、トラックを掃除するように橘たちに指示すると、浩二は死体を片づけ、奪ったAKを構えた
胸騒ぎがする
いや、そもそも自分が暴走しただけで拘束されるか?
過剰殺戮が犯罪なら前線基地の薙咲が100人以上敵を殺している
第2都市カルマでも、ミラ軍特殊掃討隊を全滅させた
この街に入った時点でアウトじゃないのか?
そして、何でここにミラ軍がいる
この2つが一つの見えない線で結ばれた
浩二は・・・気付いてしまった
今ここがどれだけ危険か
浩二は思わず・・AK74の引き金に指をかける
次の瞬間
(これは間違いじゃなかったな・・・)
AK74が火を噴いた
その瞬間に、爆発音
ポンッ!!
そのなんともかわいらしい音とともにシャッターのロックが破壊される
防弾性のシャッターは浩二が撃った5.46×39mm弾を受け付けない
それは相手にも言えることで、銃弾がシャッターに当たって跳ね返る音が凄い
威嚇のつもりだろうが、浩二は銃声に慣れてしまっているので何ともない
まぁこのままシャッターが「何か」によって粉々にならない限り・・・な
桜木たちもさりげなく武装しているな
なら問題ない
浩二はそのままトラックに銃を運ぶことにした
銃声の響く倉庫の中で、悠然と運んでいく内に
殺気が・・・膨らんでいる
それは嫌というほど経験した「特別」な殺気
まぁ大体分かる。これは・・・
そう思った時
シャッターがバン!という音と共に粉々に散った
それを待っていたかのように銃弾の嵐が吹き荒れる
浩二はそれに応戦するように撃つ
射撃線を避け、浩二は下から薙ぐように銃を振う
そこから放たれた弾は、1人1人。敵兵の眉間に吸い込まれるように飛んでいく
30発の箱型弾倉の中は空になる
倒した敵は・・・まさかの30人
残りの敵は的を桜木たちに変えたらしい
だが・・・
「逆に危険だ」
思わず浩二はそう言ってしまったが
銃口から有無を言わさず弾が出る
「反射」
まぁそうだろうな
敵の体がすかさず蜂の巣になる
敵はそれで全滅した・・・わけではない
やっぱり1人、生き残っている
その男は銃を持たず、代わりというばかりに
「紅剣」を持っている
その姿は・・・反対派の将校
黄の将軍「フライ」だった
「久しいな・・・探したぞ」
フライはそう言い放ち、紅剣を構える
「・・・」
浩二は黙りながら背中から2本の紅剣を抜き、構えた
桜木たちも抜刀したが、浩二が剣を出し止める
「お前らは手を出すな・・・これは」
「2人だけの戦い・・・か。分かった」
桜木は分かったのか、少し悲しげに剣を収める
2人は剣を構えながら・・・睨みあう
遂に敵対したフライたちと遭遇してしまった浩二は、最後に言い放つ
「・・・裏切る者は死す。それが俺の心の掟だ」
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by dokkanogunmania | 2012-05-07 20:29 | 小説「Assassin」
油断
よく考えれば忘れてたな
浩二はそう思いながら地面に伏せている
たまたま転びそうになったのが幸いし、左腕を掠めただけで済んだ
だが、ものすごい量の血があたりに散乱しているところを見ると
改めて対物ライフルがいかに危険かを思い知らされる
もし胴体に命中していたら、間違いなく即死だっただろう
掠めただけでも重傷ですから
・・・スラム制圧後、意気揚々と岐路についた浩二たちは、油断をしていた
てっきり敵を殲滅していたのだと思い込んでいたからだ
それもそのはず。橘の光線弾によって敵の本拠地と思われる場所は跡形もなく消え、残りの敵は降伏したのだから
さらに、裏門と呼ばれてた侵入口も光線弾の熱で溶け、塞がれた
まさか今さら狙撃はされないだろう
そう思ってた矢先に
転びそうになる
そんで
ビシュッ!
腕を超音速で掠めた弾は血とともに地面に刺さった
忘れてた
神の狙撃手「メリモス」の存在を
浩二は思わず苦笑する
いや、そもそもここ笑うとこじゃない
と、自分の中で突っ込む
だんだんと、意識が遠のいてく中で
ふと、何かが横切る
それは
見えない何かをぶつけて消える
「痛っ!!」
浩二は周りを見渡す
弾が掠めた左腕は
肉が一部もぎ取られてる状態だったらしく、一部がへこんだようになっている
ここは・・・拠点
どうやら運ばれたようだ
橘たちは見当たらない
手当が施されてあったので、おそらく外で
バン!バァン!
交戦中。予想は的中
浩二は起き上がり、腕の様子を見る
痛みが走るが、ほとんど問題ない
紅剣を背負い、近くにあったAF2011A1を装備する
インカムも外されてあったが、机の上に置いてあるのをみると
「・・・起きたら行けってことか。つくづく厄介なやつらだ」
浩二は苦笑しながらそういうと、インカムのスイッチを入れた
「こちら殺人蜂。全員状況報告」
「爆弾狼。エリアC1クリア。現在C2の敵と交戦中」
エリアを分けている
おそらくそこに置いてある地図に書いてあるだろう
浩二はそれを頭に叩き込み、連絡を取り始める
「・・・遅くなった。こちら暗殺者」
「おい!大丈夫なのか?無理はするな」
橘の声が聞こえた
「あぁ、大丈夫だ。それより状況を知りたい」
「こちら殺人蜂。今さっきミラ軍が正門から攻めてきた。その数およそ2000人。そのため、今正規軍が広場で戦ってる。それを援護するために私たちが動いてるって感じだ。暗殺者、行けるか?」
「状況をおおよそ把握できた。俺は南東のエリアG7を攻める。いいか」
「了解。武運を祈る」
「お互いにな」
通信を終えると、浩二はそのまま外に出た
ババババババ!!
ガガガガガが!!
至るところから銃声が聞こえる
浩二はとりあえず武器庫に向かい、銃を調達しに行く
さすがにこの銃だけでは火力負けするので、浩二はアサルトライフルやら何やらを貰いにきたのと
今着てる将校用の服も、来てるだけでイライラしてくるので、替えに来た
そして、倉庫のドアを開ける
中にはもちろん誰もいない
と思ったら
人の気配が微かだがする
(この気配・・・まさか)
そう思った時には手遅れ
いや違う
浩二は咄嗟に横にステップする
プシュッ!という、独特な銃撃音
サイレンサー付きの銃で撃たれているようだ
しかし、この気配は違う
普通の兵士ではない、特別な空気
浩二は思わず紅剣を出す
「・・・ハハハ。やっぱりそうか・・・」
奥から聞き覚えのある声
「ソル・・・いや、メリモスか」
浩二は紅剣を構える
足音はしないが、確実に近づいてくるのが分かる
そして、姿を現したメリモスは
黒い布を纏っている
スナイパーライフルのM700を肩にかけ、手にはやはりサイレンサーのついた拳銃
だが、デカい
浩二は目を細めてその銃を見た
「Mk23。SOCOMピストルか」
45口径の弾を発射する大型拳銃
通称「ソーコムピストル」
「よく分かったな。褒めてやる」
そういうと、メリモスは銃を捨てた
「・・・どういうつもりだ。今さら投降なんて受け付けないぞ?」
「馬鹿馬鹿しい。スナイパーだからって俺が近接戦闘が出来ないとでも思ったのか」
メリモスは、背中のM700も近くのコンテナに立て掛け、代わりにというばかりに近くに隠してあった矛を取り出す
「紅矛だ。その紅剣と同じ素材のやつだ。これで、お前を殺す」
そういうと、構えた
その構えに隙はない
浩二もこれは予想外としか言えなかったが
「殺るなら真剣にやれ。つまんねぇ動き見せたらダルマにしてやる」
浩二はそう言い放って飛びかかる
右の剣を叩き込む
だが、弾かれた
その反動で左の剣を薙ぐ
これは紙一重で避けられた
「防御だけか」
浩二はメリモスを挑発する
「俺が何の軍を動かしてると思うんだ」
メリモスは矛を振う
その速度は・・・尋常じゃない
なんとか避けるが
地面・・・コンクリートが簡単に粉になる
「お前こそ逃げ腰のチキンだな」
そう言われた浩二は
黙った
決して無視していたのではない
今までにない
「何か」を手に入れたような
そんな感じだった
その感覚は、体の芯が火照るような
燃えるような痛み
そしてとてつもない高揚感
「う・・・あ・・・」
メリモスは首を傾げた
「泣くなら外で泣け。俺は男の泣き顔なんざ見たか」
「うあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
浩二は発狂する
今の浩二は浩二じゃない
もはや「悪魔」だった
逆手に持ってるほうを持ち替え、構える
飛びかかり、襲う
メリモスはそれを何なく矛の柄の部分で防ぐが
「!?」
メリモスは異変に気づく
その剣はさっきの数倍は重い
弾き返すこともままならず、そのまま後退した
「ああああぁぁぁぁぁ!!!」
浩二はまた声を荒げ、飛びかかる
そして、メリモスは矛で防ぐのではなく
斬りかかる!
フォン!
その矛は、浩二を「すり抜けた」
ガン!!という、コンクリートが砕ける音
それとともにバシュッ!!
その音と同時に、メリモスは膝から崩れ落ちる
「な・・・殺られたの・・・か」
メリモスの背中からは、血が噴き出ている
もう助からない
痙攣を起こし、体が思いっきり仰け反ったかと思うと、息絶えた
浩二はそれを見届けると、矛を奪い取り
ダンッ!!
首を刎ねた
「・・・」
浩二の眼はもはや人ではない
何か獲物を探すように
あたりを見回す
「覚醒」した
浩二に秘められたスキル「暗殺者」の暴走状態である
その状態は、薙咲と同じ
身体能力や筋力などが格段に増す
そして、痛みを感じなくなる
浩二の場合はそれだけではない
暗殺者の暴走モード
そう、それは
一瞬にして相手を殺す
頭の中にはそれだけが回る
なので、言葉が話せなくなり、発狂するようになる
防御はしない
その代わり、恐ろしいスピードで避け、その反動で敵の背後にまわり首を取る
正気に戻るまでにはそれだけの時間を要する
今の浩二は敵を探し求めている
それは全てを喰らう悪魔
気の済むまで殺戮を繰り返すか、あるいは死ぬ
それをしない限り多分正気には戻らない
「うぅ・・・あああああぁぁ・・・」
浩二は黒い戦闘服に着替えた
そして、近くにたまたま置いてあったマシンガン。M60を持ち
「あはははははははっ!!ああああああああぁぁぁ!!!」
浩二は発狂しながら外に飛び出る
そして、引き金を引く
バババババババババババババババッ!!!!!
M60を構えながら弾幕を張る
たまたま近くにいた敵は
もちろんアウト
浩二は敵を見つけては蜂の巣にする
だが
バァン!!という音とともに
M60の機関部に穴が開く
タァン・・・
対物ライフルでの狙撃
浩二はそれを捨て
笑う
「そこまでだよ」
そう言われ、振り返ると
薙咲が立っていた
その後ろのは、橘がいる
「武器を捨てて投降しろ。敵の過剰な殺戮はこの国では違法だ」
橘がそういうと・・・
浩二は、剣を抜く
「殺・・・す・・ぞ」
そう言った途端に
ガシャガシャッ!!
囲まれた
盾を持った兵が100人近く
その後ろには、M4を持った兵士がいる
浩二はこの時
ある程度覚醒が解けてきた頭に
裏切りという単語が出てきた
「ふ・・・ふざ・・・」
浩二は怒りを爆発させた
裏切りを2度も
もう耐えきれない
その思いが
今ここで解き放たれた
「ざけんじゃねぇぞ!!この裏切り者がぁあああ!!!」
剣を素早く振り、地面を叩く
舗装されてる地面に亀裂が入る
「お前は少し落ちつけ。私たちは、裏切ったのでは」
「ああああああぁぁぁぁぁ!!!」
橘の話を断ちきり、発狂する
そして
その時
一瞬だけ聞こえた橘の声
「殺れ」
その瞬間に
浩二の意識が飛んだ・・・
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by dokkanogunmania | 2012-05-03 04:11 | 小説「Assassin」