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とある軍隊の飛翔弾丸

assassin44.exblog.jp

ここは廃人のブログです(笑)

Assassin 第3章 26話 「独房からの脱出」

世界でも数人しか持っていないスキル「暗殺者」
それ以外にも種類は豊富にあるが、全て世界に数人というレベルでしか存在しない
そのスキルを持つものに付きまとうリスク
それは「暴走状態」
何かを引き金にして起こる現象らしく、ほとんどが瀕死の重傷、あるいは仲間の死などが引き金になっている
浩二の場合は、何か強大なものに追い込まれて、なおかつ侮辱されることを引き金としている
そして、暴走状態を止めるには
一定の量の殺戮あるいは自己の死。もしくはとてつもない精神的ダメージ
今の浩二は、明らかに「殺された」感じだ
まるでブレーカーが落ちたように
その混沌とした意識の中で、見えたものは
紅の光線と蒼の光線が、お互いに混じり合う光景
そしてそれは、次第に膨らみ
限界まで達したのか
音も立てずに割れた
まるで、スタングレネードを喰らったかのような
そんな衝撃だった
その直後、自分が加速しているのが分かった
上に・・・上に・・・
徐々に加速しながら上昇している
「うわぁ!!」
目が覚めた
浩二はあたりを見回す
(・・・独房か)
浩二は独房に入れられていた
あの暴走状態がよほど相手にとって不利な状況だったのか
そう考えれば
裏切られた
浩二は憤りを覚えた
そして、当然だが装備品は全て没収
ダクトから逃げようと思ったが絶妙なタイミングで見張りが来たようだ
とりあえず気を失ってる振りする
見張りはそのまま通り過ぎて行った
それを確認すると、浩二はダクトに入り始めた
しかし、脱出はもちろん不可能
少し先からせまくなっており、人が通れる大きさではなかった
だが、ダクトに入ったのは正解だったようだ
そこには
サイレンサーモデルのスタームルガーMkⅠが隠してあった
誰がこんなところに入れたのかはさておき、浩二は急いで弾の確認をする
弾は・・・入ってる
しかも、近くには予備のマガジン
ツイてるとしか言いようがない
とりあえず、浩二は銃を持ちダクトから出る
見張りがちょうど戻ってきたので銃を腰に挿し込み、立ち上がる
浩二を見た見張りは驚きの表情をしたが、すぐに真顔になり
ここに入ってくる
ただ、ここでは殺さない
ある程度話を聞いてからだ
浩二はそのまま立っている
見張りは、入ってくるとホルスターから銃を抜き、浩二に銃口を向けた
「グロックか。何も武装していない俺が怖いのか」
浩二はあえて挑発する
「お前は過剰殺戮の罪で捕えられた。ついでに、お前のお仲間さんもな」
「てめぇ・・・あいつらに何をした。事と次第によっては」
チャキ
その見張りは浩二の話を銃を構えなおすことによって中断させた
「お前よりは罪は軽い。あいつらは俺たちに協力をしたからな」
「協力?俺を気絶させたことか」
「それと、お前が持ってた武器の破壊もな」
よくよく考えたらあの場には薙咲と橘しかいなかった
そして、桜木は狙撃手
「・・・そういうことか」
「俺はあんたの処刑を命じられた。上のほうからの命令だ、悪く思うな」
そういうと、グロックの引き金に手をかける
浩二は微動だにしない
「・・・じゃあ、最後に聞いていいか」
「ふ・・・遺言か?」
「薙咲たちはどこに拘留されてるかだ」
「・・・?馬鹿かお前、聞いてどうする」
「最後に死ぬなら聞いても文句ないはずだ」
浩二がそういうと、その見張りの兵は黙った
だが銃は降ろさない
「・・・ここの隣のエリアの牢屋に入ってるはずだ」
「そうか・・・」
浩二はそういうと
一気にしゃがむ
腰に手を伸ばし、MkⅠを素早く抜く
あまりにもいきなりだったため、目の前の兵は銃を撃てなかった
浩二はその一瞬で
プシュッ!
引き金を引いた
アルミ缶を開けるような音とともに、その兵の心臓を撃ち抜いた
そして、浩二は素早くグロックを奪い取り、独房を脱出した
(とりあえずは・・・これでいい)
浩二はグロックを仕舞い、MkⅠを構える
隣のエリア
まぁそこまで行くには看守を倒す必要がある
とりあえず足音を殺して近づき、看守に強烈な肘打ちを喰らわせて昏倒させた
そのあとは、首の骨を折り瞬殺
浩二は難な隣のエリアに入ることが出来た
しかも、幸いなことに通路が短いうえに一直線
敵は1人なので、とりあえず頭を撃ち抜き
牢屋を探した
2つほど先の牢屋から人の気配がする
浩二は牢屋の近くまで行き、様子を見た
厳重に縄で縛られているが、性的暴行は受けていないな
もしかしたらこれからやるつもりだったのかも知れない
浩二はそう思いながら、さっき倒した見張りから牢屋の鍵を奪い、開けた
「・・・浩二!」
桜木が声をあげた
他の2人はまだ意識が戻っていないのか、反応しない
とりあえず、3人とも解放する
「とりあえず、話は後だ。装備品を奪還してここから立ち去るぞ」
「分かった」
桜木はすぐに状況を把握し、動く
そして、意識を取り戻した2人も浩二がいることに驚きつつも、すぐに動いてくれた
とりあえず、上の階に上がった
そこは倉庫らしく、ここは隠し階段だったようだ
とりあえず、倉庫に出ると
驚きの事実が分かった
「ここは・・・俺らが使ってる倉庫か」
浩二がメリモスを倒した倉庫に出た
浩二はとりあえず上がり、あたりを確認する
敵の気配はない
メリモスの死体がそのまま置かれているところを見ると誰も来ていないようだ
自らが跳ね落としたメリモスの首
よく見ると、恐怖で顔が歪んでいる
浩二はそのまま首を戻すと、傷の少し上の場所が盛り上がっているのに気付いた
纏っていた布をめくりあげると
「やっぱそうか」
秘匿用の短剣が2本隠されていた
鞘から抜くと、剣が妖しい光を放っている
おそらくこれも紅剣だろう
階段から這い上がってきた3人は、メリモスの死体を見るなり驚きの声をあげた
「メリモス・・・お前さっきの状態で殺ったのか」
一番驚いている橘が、目を見開いてそう言うと、近くにあった紅剣と紅矛を見つめる
「この武器・・・近距離戦も出来るやつだったのか」
そのまま武器を取ると、桜木に2本の紅剣を。矛を薙咲に差し出す
「何のつもりだ。橘」
浩二はそういうと、背中に手を伸ばすが
すっかり忘れてた
剣は没収されてて無いことを
「別に戦うつもりはないさ。これからに置いて、武装はしておいたほうがいい」
「そういうことなら、いいだろう」
それを聞き、薙咲と桜木は
剣と矛を受け取り、装備する
浩二があたりを探すと
紅剣が落っこちていた
没収されたのは銃器類だけだったらしい
これはマシンガンを取った時にそのまま落っことして置いていっただけだったのだ
その近くには、黒色の戦闘服が置いてあった
浩二はとりあえずそれに着替える
「浩二、これからどうするつもりだ」
「拠点がなきゃ行動不可能・・・だな」
浩二はそういうと、トラックのほうを見る
「トラックで移動すれば問題ないんじゃない?」
薙咲がそういうと、ほんの少しだが空気が和んだ
浩二はとりあえずトラックの荷台の荷物を確認しようと扉の取っ手に手をかけた
中から強烈な殺気がした
浩二はとりあえずバックステップで距離を取る
そして、気付かれないように辺りを見回す
木箱の上には、グロック18が置いてあった
それを取り、弾倉の確認を終わらせた浩二は
一気にドアを開放する
その隙間から
ダダダッ!!
銃弾を叩き込む
一瞬だけ敵が見える
3人
グロックから9mm弾が3発飛び出る
それは、敵の心臓に吸い込まれるように飛んでいき穴をあける
浩二は中を確認する
3人の敵兵は驚くことにAK74を装備したミラ軍の特殊部隊員らしい
すでに事切れてる3人から銃とマガジンを奪いとり、トラックを掃除するように橘たちに指示すると、浩二は死体を片づけ、奪ったAKを構えた
胸騒ぎがする
いや、そもそも自分が暴走しただけで拘束されるか?
過剰殺戮が犯罪なら前線基地の薙咲が100人以上敵を殺している
第2都市カルマでも、ミラ軍特殊掃討隊を全滅させた
この街に入った時点でアウトじゃないのか?
そして、何でここにミラ軍がいる
この2つが一つの見えない線で結ばれた
浩二は・・・気付いてしまった
今ここがどれだけ危険か
浩二は思わず・・AK74の引き金に指をかける
次の瞬間
(これは間違いじゃなかったな・・・)
AK74が火を噴いた
その瞬間に、爆発音
ポンッ!!
そのなんともかわいらしい音とともにシャッターのロックが破壊される
防弾性のシャッターは浩二が撃った5.46×39mm弾を受け付けない
それは相手にも言えることで、銃弾がシャッターに当たって跳ね返る音が凄い
威嚇のつもりだろうが、浩二は銃声に慣れてしまっているので何ともない
まぁこのままシャッターが「何か」によって粉々にならない限り・・・な
桜木たちもさりげなく武装しているな
なら問題ない
浩二はそのままトラックに銃を運ぶことにした
銃声の響く倉庫の中で、悠然と運んでいく内に
殺気が・・・膨らんでいる
それは嫌というほど経験した「特別」な殺気
まぁ大体分かる。これは・・・
そう思った時
シャッターがバン!という音と共に粉々に散った
それを待っていたかのように銃弾の嵐が吹き荒れる
浩二はそれに応戦するように撃つ
射撃線を避け、浩二は下から薙ぐように銃を振う
そこから放たれた弾は、1人1人。敵兵の眉間に吸い込まれるように飛んでいく
30発の箱型弾倉の中は空になる
倒した敵は・・・まさかの30人
残りの敵は的を桜木たちに変えたらしい
だが・・・
「逆に危険だ」
思わず浩二はそう言ってしまったが
銃口から有無を言わさず弾が出る
「反射」
まぁそうだろうな
敵の体がすかさず蜂の巣になる
敵はそれで全滅した・・・わけではない
やっぱり1人、生き残っている
その男は銃を持たず、代わりというばかりに
「紅剣」を持っている
その姿は・・・反対派の将校
黄の将軍「フライ」だった
「久しいな・・・探したぞ」
フライはそう言い放ち、紅剣を構える
「・・・」
浩二は黙りながら背中から2本の紅剣を抜き、構えた
桜木たちも抜刀したが、浩二が剣を出し止める
「お前らは手を出すな・・・これは」
「2人だけの戦い・・・か。分かった」
桜木は分かったのか、少し悲しげに剣を収める
2人は剣を構えながら・・・睨みあう
遂に敵対したフライたちと遭遇してしまった浩二は、最後に言い放つ
「・・・裏切る者は死す。それが俺の心の掟だ」
by dokkanogunmania | 2012-05-07 20:29 | 小説「Assassin」

by 迷彩林檎